今回は2025年に晃洋書房より出版された『ハンナ・アーレントと共生の〈場所〉論(トポロジー)〜パレスチナ・ユダヤのバイナショナリズムを再考する』の著者である二井彬緒さんにお話を伺いました。インタビュアーは林大地さんです。
【著作概要】1940年、ハンナ・アーレントは何を思いパレスチナ人とユダヤ人の共存国家論を論じたのか。初期論考が収められた『ユダヤ論集』から『革命について』『エルサレムのアイヒマン』までを分析し、シオニズムへの批判から連邦制の理論が紡がれるまでの洞察を読み直す。〈場所〉を失い難民となった一人の思想家による、他者と共生する〈場所〉の未来像を示す。
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【ゲスト:二井彬緒 プロフィール】
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論)「人間の安全保障」プログラム博士課程修了。博士(国際貢献)。現在は同プログラム助教。専門は社会思想史・政治思想、ハンナ・アーレント研究。関心はイスラエル・パレスチナ紛争、ユダヤ人問題、難民問題、場所論、ポスト・コロニアリズム。既刊論文・記事として「『倫理的なもの』への地図〜ジュディス・バトラーのパレスチナ/イスラエル論」(『現代思想』2024年2月号)、「〈クレオール〉の声を聴くアーレント思想へ〜ed. by Marilyn Nissim-Sabat and Neil Roberts, Creolizing Hannah Arendt を読む」(『政治思想学会会報』59号、2024年)など。https://researchmap.jp/akio-futai21
【インタビュアー:林大地 プロフィール】
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程三年。専攻は20世紀ドイツ思想史。趣味は古本屋めぐり。著書『世界への信頼と希望、そして愛〜アーレント「活動的生」から考える』(みすず書房、2023年)、主な論文に「世界への気遣いとしての活動的生〜ハンナ・アーレント『活動的生』における活動の場所指定の重要性」(『社会システム研究』第25巻、2022年)など。京都大学生協発行の書評誌『綴葉』の元編集長。現在も同誌の編集委員として、毎月書評活動を行なっている。