今回は2022年に有志舎より出版された『「地球社会」時代の日米関係〜「友好的競争」から「同盟」へ 1970-1980年』の著者である長史隆さんにお話を伺いました。インタビュアーは髙橋茜さんです。
【著作概要】本書は、これまで安全保障を軸とした2国間関係として捉えられることの多かった1970年代の日米関係を、先進民主主義諸国間関係の一翼として位置づけ、また新たな国境横断的課題の噴出によって「地球」を1つの単位と捉える世界認識が高まるなかでの両国関係の変化をたどることで、1970年代の国際関係の変容の一端を捉えようとする試みである。安全保障問題を中心とする伝統的な2国間の政治・外交関係にとどまらず、グローバルな視座に立ち、難民問題、文化摩擦、動物の命をめぐる問題といった日米関係の社会・文化的な側面をも重視することで、新たな国際関係史のあり方を提示する。
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【ゲスト:長史隆 プロフィール】
1986年奈良県生まれ。2010年中央大学法学部卒業。2016〜2017年ジョージワシントン大学シグールアジア研究所客員研究員。2019年3月立教大学法学研究科博士課程後期課程単位取得退学。2019〜2021年度は立教大学法学部助教。2021年9月立教大学法学研究科より博士(政治学)を取得。2022年度は立教大学兼任講師および立教大学アメリカ研究所特任研究員。2023年4月より広島市立大学国際学部講師。本著作が第39回・大平正芳記念賞を受賞。
【インタビュアー:髙橋茜 プロフィール】
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程・日本学術振興会特別研究員 (DC1)。アメリカ合衆国でメキシコ系の人びとと生活した経験や、メキシコシティで中米移民等の自立生活支援に携わった経験から、西半球の人の移動や労働をとりまく諸課題に継続的に関心を抱いている。現在のおもな研究分野はアメリカ現代史・労働史・移民史で、20世紀前半のアメリカ合衆国で農場や食品加工工場の労働者が参画したマルチエスニック労働組合について調査・研究を行っている。