2021年8月に法政大学出版局より『医学とキリスト教〜日本におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教』を出版された歴史学者の藤本大士にお越しいただき、その著作について語っていただきました。各種資料を用いて、幕末からアジア太平洋戦争後に至るまで日本におけるアメリカ人医療宣教師の活動と変遷を描いた作品です。インタビュアーは石井紀子さん。
【著作概要】
幕末からアジア・太平洋戦争後に至るまで、多くの医師資格をもつプロテスタント宣教師がアメリカより日本に派遣され、医療を通じて人々にキリスト教を広めていった。ドイツの強い影響下にあった明治期以降の日本医学界において、アメリカ人医療宣教師たちはいかにその活動を拡大していったか。日々の診療のみならず、医学・看護教育、慈善事業・公衆衛生事業など多岐にわたる彼らの活動とその変遷を検証する。
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【ゲスト:藤本大士 プロフィール】
1987年生まれ、福岡県鞍手町出身。2010年、早稲田大学人間科学部卒業(科学史・科学論)。2019年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(科学史・科学哲学)。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(DC1)、イェール大学、ハーバード・イェンチン研究所、ベルリン自由大学フリードリッヒ・マイネッケ研究所、シンガポール国立大学など客員研究員、名古屋経済大学非常勤講師を経て、2021年4月より日本学術振興会特別研究員(PD)(受入機関:京都大学大学院教育学研究科)。主要著作に、“Women, Missionaries, and Medical Professions: The History of Overseas Female Students in Meiji Japan,” in Meiji Japan in Global History, ed. Catherine L. Phipps (Oxford and New York: Routledge, 2021) など。
【インタビュアー:石井紀子 プロフィール】
上智大学外国語学部教授。Ph.D.(ジョージ・ワシントン大学)。専門はアメリカ女性史、社会史、日米関係史、トランスナショナル・ヒストリー(女性史)など。著書にAmerican Women Missionaries at Kobe College, 1873-1909: New Dimensions in Gender (Routledge, 2004)。論文に “Imagining an Anti-Racist Cosmopolitanism: Localization, Imperialism and Transnational Women’s Activism in Interwar Japan,” Journal of Colonialism and Colonial History 22:3 (Winter 2021), 「東アジアの女性宣教師とグローバル・ヒストリー」上智大学アメリカ・カナダ研究所他編『グローバル・ヒストリーズ「ナショナル」を越えて』上智大学出版、2018年, “Difficult Conversations across Religions, Race and Empires: American Women Missionaries and Japanese Christian Women during the 1930s and 1940s,” The Journal of American-East Asian Relations 24:4 (2017) など。