Redemption and Revolution

American and Chinese New Women in the Early Twentieth Century

Cornell University Press 2016年



20世紀初頭、アメリカ合衆国が帝国主義勢力として台頭していく中、大学教育を受けたプロテスタントのアメリカ人女性たちが次々と宣教師として海を渡りました。その主要な目的地の一つが中国でした。彼女たちはいわゆる「新しい女」の教育者として、中国において自分たちと同じ自律した中産階級の専門職女性を中国で育成することを試みていきました。

彼女たちの試みは、中国の「新しい女」たちと連帯を形成する一方、反発や離反も生み出していきました。その背景にあったのが、この時期、世界各地で出現した「新しい女」という歴史主体に内在する問題でした。「新しい女」は、ジェンダーにおける進歩ビジョンを表現するグローバル・モダニティの要素であったと同時に、国民国家の歴史的進歩ビジョンとも密接に絡み合っていました。アメリカと中国の「新しい女」は、近代的進歩の歴史的エージェンシーとして行動する個人の自律性に基づく主体である一方、双方の国の歴史的進歩イデオロギーとも密接に結びついていました。

この本では、「新しい女」のトランスナショナル・ヒストリーとして、アメリカと中国の「新しい女」の相互の関わりや影響の変遷をたどりながら、「世界史」というパラダイムにおける、ジェンダー、モダニティ、ナショナル・アイデンティティの交錯を探っていきます。


【著者:佐々木一惠 プロフィール】

専門はアメリカ合衆国史(思想史・ジェンダー史)。2008年にジョンズ・ホプキンズ大学に提出した博士論文をもとにRedemption and Revolutionを2016年に出版した。現在は、19世紀後半に興隆したアングロ・カトリシズムとそれを土台とする共同体主義に関する研究を行なっている。この研究では、アメリカ合衆国における主流派プロテスタントとリベラル・デモクラシーの関係を、宗教=保守/世俗=リベラルの二項対立を超えた視点から捉えることで、宗教を経由した公共善に基づくリベラルな共同体主義の潮流をアメリカ思想史の中に位置付けていくことを試みている。


【インタビュアー:松田ヒロ子 プロフィール】

神戸学院大学教員。Ph.D (オーストラリア国立大学)。経歴と業績の詳細は次のサイトを参照 https://researchmap.jp/hirokomatsuda