『朝鮮籍とは何か〜トランスナショナルの視点から』(編著者 李里花さんインタビュー)

トランスナショナルの視点から

明石書店 2021年



【著作概要】
朝鮮籍とは、植民地期朝鮮から日本に「移住した」朝鮮人とその子孫を分類するために、戦後の日本で創り出されたカテゴリーである。朝鮮民主主義人民共和国の国籍を意味するかのように使われることがあるが、これはまちがいである。本書『朝鮮籍とは何か』は、朝鮮籍をめぐる歴史的変遷をたどりながら、朝鮮籍の人が直面したリアリティにも焦点を当てることで、その実像に迫ろうとするものである。

【関連リンク】
書籍概要・目次(明石書店)
「無国籍」となった「朝鮮籍」の実像に迫る 『朝鮮籍とは何か』(じんぶん堂)


【著者:李里花 プロフィール】

中央大学総合政策学部准教授。社会学博士。専門は、歴史社会学、移民研究、環太平洋地域研究。

私自身は朝鮮籍ではなく、在日コリアンの母とコリアン・アメリカンの父の間で日米を往来しながら育ちました。本書の「あとがき」にも書いたように、大学を卒業してから「世の中の仕組みがわからないと先に進むことができない」という漠然とした不安感から大学院に進学しました。

そしてそこでアメリカや東アジアの人種エスニシティ研究やナショナリズム研究を学んでいく中で、誰にとっても自由で平等な社会を目指していきたいと思うようになりました。

これまで日本とアメリカ、ハワイで調査を実施し、移民やマイノリティのアイデンティティやナショナリズム、トランスナショナリズムについて研究してきました。最近はマイノリティ文化の表象をめぐる問題や「自国民/外国人」の枠組みを超える研究等に取り組んでいます。

◎プロフィール詳細(researchmap)
◎自国民/外国人という発想を超えて― SDGsゴール10「人や国の不平等をなくそう」達成に向けて(ChuoOnline)


【インタビュアー:山本和行 プロフィール】

天理大学在学中に台湾へ留学し、台湾の友人たちと交流を深めるなかで日本と台湾の歴史的な接点に興味を持ち、旅行会社などに就職後、あらためて大学時代の興味関心を深めたいと思い、京都大学大学院教育学研究科に進学し、日本による台湾の植民地統治、およびそこで形成・展開される教育制度の形成・展開過程を研究テーマに選びました。

BLAでインタビューしていただいた本を出版してからは、植民地期の学校教員の歴史的位置や、教員を取りまく社会的状況、あるいは現代的な課題として、今の台湾の学校に残されている植民地統治期の学校関連資料の所在などに関心を持っています。

また、教職課程の教員として天理大学に職を得てからは、教員養成をめぐる歴史的・社会的な課題や、歴史的な視点から考える大学教育の方向性、あるいはICTを活用した授業方法の検討などにも関心を持つようになりました。