『暴力の経験史〜第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験 1918〜1923』著者 今井宏昌さんインタビュー

第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験 1918〜1923

法律文化社 2016年



暴力の経験は「政治の野蛮化」にどのような影響を及ぼすのか。義勇軍という同じ経験をもちながら、その後はナチ、共和派、コミュニストと別々の政治的道程を歩んだ3名を検討対象に、彼らの経験がもつ歴史的意味を問う。
※博士論文「第一次世界大戦後ドイツにおける義勇軍経験の史的分析」(東京大学、2016年) に若干の加筆・修正を加えたもの


【著者:今井宏昌 プロフィール】

1987年大分県日田市生まれ。福岡大学卒業、福岡大学大学院博士課程前期修了、東京大学大学院博士課程修了。日本学術振興会特別研究員DC2(2012〜2013年度)ならびにPD(九州大学大学院比較社会文化研究院・2014〜2016年度)を歴任したのち、現在、九州大学大学院人文科学研究院歴史学部門西洋史学講座講師。今回紹介した単著以外の主な業績として、『教育が開く新しい歴史学(史学会125 周年リレーシンポジウム 2014〈1〉)』(共著、山川出版社、2015 年)、J・ハーフ『ナチのプロパガンダとアラブ世界』(共訳、岩波書店、2013 年)、T・キューネ/B・ツィーマン編『軍事史とは何か』(共訳、原書房、2017年)、A・ヴィルシング/B・コーラー/U・ヴィルヘルム編『ナチズムは再来するのか?:民主主義をめぐるヴァイマル共和国の教訓』(共訳、慶應義塾大学出版会、2019年)がある。


【インタビュアー:鶴見太郎 プロフィール】

1982年岐阜県神岡町(現飛騨市)生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻准教授・博士(学術)
専門は、歴史社会学、ロシア・ユダヤ人、イスラエル/パレスチナ、エスニシティ・ナショナリズム。主な著書:『ロシア・シオニズムの想像力:ユダヤ人・帝国・パレスチナ』(東京大学出版会、2012年)、『イスラエルの起源:ロシア・ユダヤ人がつくった国』(講談社、2020年)

『ピアノの日本史〜楽器産業と消費者の形成』著者 田中智晃さんインタビュー

楽器産業と消費者の形成

名古屋大学出版会 2021年



富裕層の専有物であったピアノが人々に親しまれるようになった由来を、明治~現代の歴史からたどり、その普及を可能にした原動力を経営学・マーケティングの観点から明らかにした。斜陽産業化の危機を超えるメカニズムを分析し、音楽教室とともに世界へと拡がった日本の鍵盤楽器産業の全体像を描いた。


【著者:田中智晃 プロフィール】

東京大学大学院経済学研究科博士課程を満期退学後、同大学特任研究員を経て、2011年に東京経済大学経営学部専任講師に着任。現在、同大学准教授。2018年に東京大学より経済学博士号を取得。ピアノをはじめとする楽器産業の歴史や流通、マーケティングに関心がある。これまで楽器小売店の伊藤楽器(千葉県)、三木楽器(大阪府)、電子楽器メーカーのコルグ(東京都)の社史を執筆し、その過程で得た内部資料を基に論文を執筆してきた。2020年には一般社団法人全国楽器協会の依頼を受け、日本の楽器市場規模に関する大規模な統計調査を行った。趣味でヤマハのシンセサイザー(DX-7、EOS)を愛用。学生時代はヤマハ音楽教室でフルートを習っていた。


【インタビュアー:吉原真里 プロフィール】

ハワイ大学アメリカ研究学部教授。東京大学教養学部教養学科卒業後、米国ブラウン大学にてアメリカ研究修士号・博士号取得。専門はアメリカ文化史、アメリカ=アジア関係史、ジェンダー研究、カルチュラル・スタディーズなど。著書にDearest Lenny: Letters from Japan and the Making of the World Maestro (Oxford, 2019), 『「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか? 人種・ジェンダー・文化資本』(アルテスパブリッシング、2013)『ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 市民が育む芸術イヴェント』(アルテスパブリッシング、2010)『ドット・コム・ラヴァーズ ネットで出会うアメリカの女と男』(中公新書 2008)など。

『鄭清文とその時代〜郷土を愛したある台湾作家の生涯と台湾アイデンティティの変容』著者 松崎寛子さんインタビュー

郷土を愛したある台湾作家の生涯と台湾アイデンティティの変容

東方書店 2020年



日本統治時代に生まれ、終戦・旧国民党独裁時代・民主化と進む激動の戦後台湾を生きた作家鄭清文。2017年に逝去すると当時の台湾文化部部長であった鄭麗君は彼を悼んで「国宝」級作家と称えた。彼の作品は台湾の「国文」教科書にも掲載され、台湾の若者の間で知名度が高い彼の作品の多くは日本統治時代や都市と地方の関係、環境問題などに触れる。そして彼の作品の主要登場人物はスティグマ――一般と異なることから差別を受けがちな属性――を持つ。本書では彼が登場人物にスティグマを持たせた理由や彼の生い立ちなどを通じて、彼の作品に込められた心や寓意を読み解く。


【著者:松崎寛子 プロフィール】

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国学部中国語専攻卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学、華語文学、台湾児童文学、台湾における国語教育、日台比較文学など。国立台湾大学台湾文学研究所交換留学、ハーバード大学イェンチン研究所訪問研究員・カリフォルニア大学サンタバーバラ校台湾研究センターポスドク研究員を経て、現在日本学術振興会特別研究員、日本大学特別研究員。華語圏、日本、英語圏で台湾文学がどのように研究されているかの比較もしています。

著書に『鄭清文とその時代:郷土を愛したある台湾作家の生涯と台湾アイデンティティの変容』 (東方書店、2020年)、『越境する中国文学』(共著、東方書店、2018年)、《동아시아의 일본어 문학과 집단의 기억, 개인의 기억》 (共著、역락、2018)。論考に“Dis-/Re-Connecting Japan to Taiwan: The Complex Feelings of Different Japanese Generations toward Taiwan in Yoshida Shūichi’s Road”, Electric Journal of Contemporary Japanese Studies (2018年12月)など。 現在二児育児中。


【インタビュアー:明田川聡士 プロフィール】

1981年、千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学・台湾映画。大学院在籍中の2011年に国立台湾大学台湾文学研究所に交換留学。留学直後に東日本大震災を経験し、それを機に台湾人による対日感情の歴史的変遷にも関心を寄せるようになりました。現在、獨協大学国際教養学部専任講師。同学部中国研究科目群の教員として、台湾文学・台湾映画などの授業を担当しています。

著書に『戦後台湾の文学と歴史・社会』(単著、関西学院大学出版会、2021年12月予定)、『越境する中国文学』(共著、東方書店、2018年)、『台湾研究新視界』(共著、台北・麦田出版、2012年)。翻訳に黄崇凱『冥王星より遠いところ』(単訳、書肆侃侃房、2021年9月)、李喬『藍彩霞の春』(単訳、未知谷、2018年)、李喬『曠野にひとり』(共訳、研文出版、2014年)。論考に「台湾文学と台湾ニューシネマ」『ユリイカ』(単著、2021年8月)など。

『共同体なき社会の韻律〜中国南京市郊外農村における「非境界的集合」の民族誌』著者 川瀬由高さんインタビュー

中国南京市郊外農村における「非境界的集合」の民族誌

弘文堂 2019年



ふらりと集まり、すっと立ち去る。明確な境界を有する「コミュニティ」の発想では捉えきれない、中国農村社会で見られる何気ない交流のしくみを描いた民族誌。


【著者:川瀬由高 プロフィール】

1986年北海道生まれ。専門は社会人類学、中国民族誌学。北海道大学(文学部)卒業。首都大学東京大学院(人文科学研究科)博士前期課程を経て、同大学院(人文科学研究科)博士後期課程満期退学。博士(社会人類学)。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を経て、現在、江戸川大学(社会学部)専任講師。


【インタビュアー:川口幸大 プロフィール】

東北大学大学院文学研究科・文学部 教授 (広域文化学専攻 域際文化学講座 文化人類学分野)。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。 国立民族学博物館機関研究員を経て、2010年より現職。研究分野は東アジア、特に中国における家族親族、宗教、移動など。

『ナショナリズムの空間〜イスラエルにおける死者の記念と表象』著者 今野泰三さんインタビュー

イスラエルにおける死者の記念と表象

春風社 2021年



本書は、パレスチナに入植したシオニスト達が、どのように自らの歴史的正統性と政治的権利を主張する手段としてユダヤ人/教徒の死者とその死を利用し、パレスチナの景観の改変を行ってきたかを明らかにした研究書である。

特に、本書では、シオニスト入植者達がパレスチナ各地に建設した記念碑や記念空間に注目し、「ユダヤ民族」とその「祖国」というシオニズムのイデオロギーの創造と維持のための手段として死/死者が利用され、「新しいユダヤ人」の創造と祖国の回復というシオニズムのナラティブを正統化する役割が死/死者に与えられてきたことを明らかにしている。さらに本書からは、イスラエル建国以降、世俗的要素が強かった死者を記念するナラティブや儀式が次第に宗教的要素と融合され、民族と国家が神と結び付けられ、神聖化されていった過程をも知ることができる。

本書後半は、イスラエルが1967年戦争においてヨルダン川西岸地区等を占領し、入植地を建設していった過程とその政治的背景を考察する。さらに、シオニズム運動とユダヤ教を同一視する民族宗教派と呼ばれるユダヤ系イスラエル人達が、どのようにシオニズム運動内の独自組織として登場し、イスラエルのナショナリズムにおける世俗的性格と宗教的要素の融合状態を一層強めながら、ヨルダン川西岸地区等の占領地でのイスラエル人入植地建設の先頭に立ってきたかを明らかにする。そして、フィールドワークの成果に基づき、これら民族宗教派の入植者たちが、占領地で殺された仲間や親族とその死について、贖いのプロセスの前進を証明し、新たな生命と建設に繋がるものとして、さらに、生者に新たな力を与え、アラブ人の「残虐性」や「反ユダヤ主義」を証明するものとして語り、記念し、入植地建設を進めるための政治的手段として利用してきたと論じる。

イスラエル人入植者の殺害現場に作られた記念碑(2010年2月24日今野泰三さん撮影)
殺害されたイスラエル人入植者を記念して建設されたユダヤ教神学校(2010年2月24日今野泰三さん撮影)


【著者:今野泰三 プロフィール】

1980年、東京都生まれ。大阪市立大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ事業現地代表等を経て、現在、中京大学教養教育研究院准教授。専門は、中東地域研究、平和学、政治地理学。パレスチナ/イスラエルにおいて、植民地主義と宗教とナショナリズムがいかに相互作用しながら、民族意識や社会経済構造を作ってきたかということに関心がある。主な著作に、『ナショナリズムの空間――イスラエルにおける死者の記念と表象』(春風社、2021)、「宗教的シオニズムの構造的基盤に関する歴史的考察――ハ・ミズラヒとハ・ポエル・ハ・ミズラヒの多元的・状況対応的性格――」(『ユダヤ・イスラエル研究』第34号、2021年)がある。


【インタビュアー:松田ヒロ子 プロフィール】

神戸学院大学准教授。PhD(History, オーストラリア国立大学) 学歴・経歴の詳細→https://researchmap.jp/hirokomatsuda

『中国(チャイナ)ファクターの政治社会学〜台湾への影響力の浸透』編者 川上桃子さんインタビュー

台湾への影響力の浸透

白水社 2021年



台湾の日常生活のいたるところに現れていながら、その実態が捉えにくい中国の影響力。本書はこれを「チャイナファクター」という視点からとらえ、中国による団体観光ツアーの送り出し、民間宗教交流、歴史教科書問題、中国企業の台湾進出、メディア報道への影響力の浸透といった多様な事例分析を通じて、中国による台湾への影響力の行使と、これに対する市民社会の側からの対抗のダイナミズムを描き出す。社会学者たちによる論考集。


【著者:川上桃子 プロフィール】

アジア経済研究所地域研究センター長。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。専門は、台湾を中心とする東アジアの経済発展論、産業論。最近の主な研究テーマは台湾ハイテク産業の発展史、シリコンバレー・台湾リンケージ史、中台関係等。1995-97年(台北・中華経済研究院)、2012-14年(台北・中央研究院、カリフォルニア大学バークレー校)で在外研究を行う。 近年の主要著作に『圧縮された産業発展 台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム』名古屋大学出版会 2012年 (第29回大平正芳記念賞受賞)、川上桃子・松本はる香編『中台関係のダイナミズムと台湾』アジア経済研究所 2019年、「米中ハイテク覇権競争と台湾半導体産業――『二つの磁場』のもとで」川島真・森聡編『アフターコロナ時代の米中関係と世界秩序』東京大学出版会 2020年 他多数。


【インタビュアー:田畠真弓 プロフィール】

専修大学商学部教授。国立台湾大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。専門は経済社会学。主な研究テーマは、東アジア資本主義の発展と人材の国際間移動、地政学リスクと産業発展、民主化と社会組織等。2008年より国立東華大学社会学部専任講師、2017年より国立台北大学社会学部准教授を経て現在に至る。主要論文に、Mayumi Tabata. 2012. "The Absorption of Japanese Engineers into Taiwan's TFT-LCD Industry." Asian Survey 52(3) 571-594、Mayumi Tabata. 2016. " The Collapse of Japanese Companyist Regulation and Survival of the Upstream Industry." Evolutionary and Institutional Economics Review 13 (1) 151-163。近刊論文として、Mayumi Tabata. 2021. "The Risk of Upgrading Strategy." Journal of Asian Sociology 50(1) 117-142。

『家族を生み出す〜台湾をめぐる国際結婚の民族誌』著者 横田祥子さんインタビュー

台湾をめぐる国際結婚の民族誌

春風社 2021年



『家族を生み出す〜台湾をめぐる国際結婚の民族誌』(春風社)を出版された横田祥子さんをお迎えしてご自身の著作について語っていただきました。

【著作概要】
台湾では1980年代以降、仲介業者の斡旋による国際結婚が2000年代後半まで一大社会現象となってきた。「人身売買」と非難された国際結婚は、どのような社会背景や仕組みの下で成立してきたのか。当事者たちは何を求めて結婚・移住に踏み切るのか。台湾と女性の出身地の一つであるインドネシアでのフィールドワークに基づき、結婚移民と家族を描く。


【著者:横田祥子 プロフィール】

滋賀県立大学人間文化学部准教授。専門は社会人類学、地域研究。 主な著書に『歴史家の案内する滋賀』(共著、文理閣、2021年)、『社会問題と出会う』(共著、古今書院、2017年)、『交錯する台湾認識:見え隠れする「国家」と「人びと」』(共著、勉誠出版、2016年)などがある。


【インタビュアー:松田ヒロ子 プロフィール】

神戸学院大学現代社会学部准教授。Ph.D in History (オーストラリア国立大学) 学歴・経歴の詳細はhttps://researchmap.jp/hirokomatsuda

『戦争とトラウマ〜不可視化された日本兵の戦争神経症』著者 中村江里さんインタビュー

不可視化された日本兵の戦争神経症

吉川弘文館 2017年



アジア・太平洋戦争期に軍部の関心を集めた戦争神経症。恐怖を言語化することが憚られた社会で患者はどのような処遇を受けたのか。また、この病の問題はなぜ戦後長らく忘却されてきたのか。さまざまな医療アーカイブズや医師への聞き取りから忘却されたトラウマを浮かび上がらせ、自衛隊のメンタルヘルスなど現代的課題の視座も示す注目の一冊。


【著者:中村江里 プロフィール】

1982年山梨県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。2020年10月より広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。主要著作に、『戦争とトラウマ―不可視化された日本兵の戦争神経症』(吉川弘文館、2018年)、「アジア・太平洋戦争と軍事精神医療」『日本史研究』(691号、2020年3月)。近刊論文として、“Male Hysteria in Modern Japan: Trauma, Masculinity, and Military Psychiatry during the Asia-Pacific War” in Traumatic Pasts in Asia edited by Mark S. Micale and Hans Pols (New York: Berghahn Books)。


【インタビュアー:藤本大士 プロフィール】

2019年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(科学史・科学哲学)、博士(学術)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(受入機関:京都大学大学院教育学研究科)。専門は近代日本医学史。

『帝室劇場とバレエ・リュス〜マリウス・プティパからミハイル・フォーキンへ』(著者 平野恵美子さんインタビュー)

マリウス・プティパからミハイル・フォーキンへ

未知谷 2020年



『帝室劇場とバレエ・リュス〜マリウス・プティパからミハイル・フォーキンへ』を出版された平野恵美子さんにお越しいただき、ご自身の著作について語っていただきました。この著書で第71回芸術選奨「評論等部門」文部科学大臣新人賞を受賞されました。(インタビューアー:山本和行さん)

【著作概要】
バレエ王国ロシアで生まれたチャイコフスキー作曲の三大バレエ、20世紀の「バレエ・リュス」、19世紀以前のロシア・バレエ史の流れを、政治や歴史的な事象の反映として捉え直そうと試みた。特にバレエにおけるロシア的なものへの回帰としての《火の鳥》の誕生に注目した。また、当時のオペラとバレエのレパートリーと上演回数を集計し、上演作品の傾向などを客観的に知ることのできる資料を添付した。


【著者:平野恵美子 プロフィール】

平野恵美子 東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業。東京大学大学院で博士(文学)の学位を取得。バレエを中心とするロシア芸術文化の研究・執筆に携わる。ワルシャワ大学客員講師、東京大学助教等を経て、現在、中京大学教養教育研究院特定任用教授、神戸市外国語大学客員研究員、洗足学園音楽大学非常勤講師、日本アレンスキー協会会員ほか。共訳『ラフマニノフの想い出』(水声社、2017)。『帝室劇場とバレエ・リュス』(未知谷、2020年)で第71回芸術選奨「評論等部門」文部科学大臣新人賞受賞。


【インタビュアー:山本和行 プロフィール】

天理大学在学中に台湾へ留学し、台湾の友人たちと交流を深めるなかで日本と台湾の歴史的な接点に興味を持ち、旅行会社などに就職後、あらためて大学時代の興味関心を深めたいと思い、京都大学大学院教育学研究科に進学し、日本による台湾の植民地統治、およびそこで形成・展開される教育制度の形成・展開過程を研究テーマに選びました。 BLAでインタビューしていただいた本を出版してからは、植民地期の学校教員の歴史的位置や、教員を取りまく社会的状況、あるいは現代的な課題として、今の台湾の学校に残されている植民地統治期の学校関連資料の所在などに関心を持っています。 また、教職課程の教員として天理大学に職を得てからは、教員養成をめぐる歴史的・社会的な課題や、歴史的な視点から考える大学教育の方向性、あるいはICTを活用した授業方法の検討などにも関心を持つようになりました。

『持たざる者たちの文学史〜帝国と群衆の近代』著者 吉田裕さんインタビュー

帝国と群衆の近代

月曜社 2021年



【著作概要】
世界文学と民衆史の交点から紡ぐ群衆論の新地平――なぜデモや抗議活動の参加者は群衆や暴徒と名指されるのか。なぜ人が集まると危険とみなされるのか。本書ではこれらの眼差しの起源を植民地統治にみる。英米文学からカリブ/アフリカ文学までを扱い、植民地出身の知識人が、否定的な群衆像をいかにして大衆や人民、民衆という主体へと肯定的に読み替えたかをたどる。ジョウゼフ・コンラッド、C・L・R・ジェームズ、リチャード・ライト、ジョージ・ラミング、グギ・ワ・ジオンゴらをめぐる、新たな第三世界文学論。


【著者:吉田裕 プロフィール】

1980年生。東京理科大学准教授。一橋大学言語社会研究科博士課程後期修了。専門はカリブ文学および思想、文化研究。共著に『国民国家と文学―植民地主義からグローバリゼーションまで』(作品社、2019年)など。訳書にジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』(月曜社、2019年)、ノーム・チョムスキー『複雑化する世界、単純化する欲望―核戦争と破滅に向かう環境世界』(花伝社、2014年)、ニコラス・ロイル『デリダと文学』(共訳、月曜社、2014年)、ポール・ビュール『革命の芸術家―C・L・R・ジェームズの肖像』(共訳、こぶし書房、2014年)など。


【インタビュアー:松田ヒロ子 プロフィール】

神戸学院大学現代社会学部准教授。オーストラリア国立大学Ph.D (History)。 経歴の詳細 https://researchmap.jp/hirokomatsuda