第40回 岡部芳彦さんインタビュー『日本・ウクライナ交流史1937-1953』

神戸学院大学出版会 2022年



今回は、2022年に神戸学院大学出版会より『日本・ウクライナ交流史1937-1953』を出版された岡部芳彦さんをゲストにお迎えしました。本書の内容だけでなく、ウクライナに関わるきっかけについても語っていただきました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。(収録@神戸学院大学ポートアイランドキャンパス)

【著作概要】
アメリカ各地、フスト、ジュネーブ、東京、ハルビン、ノリリスク・・・
カルパト・ウクライナやウクライナ亡命政府との接触、ウクライナ民族主義者組織と日本の関係、幻のウクライナ語=日本語辞典、シベリアの極北の地における日本人とウクライナ人の邂逅まで、知られざる日・宇の人的交流を解き明かす待望の第2巻。


【著者:岡部芳彦 プロフィール】

1973年9月9日、兵庫県生まれ。 神戸学院大学経済学部教授、同国際交流センター所長、 博士(歴史学)[中部大学:2021年]、博士(経済学)[神戸学院大学:2015年] 。 ウクライナ国立農業科学アカデミー外国人会員 ウクライナ研究会(国際ウクライナ学会日本支部)会長 主な受賞歴:ウクライナ内閣名誉章(2021年)、ウクライナ最高会議章(2019年)、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授(2019年)、ウクライナ国立農業科学アカデミー名誉章(2017年)、名誉博士(ウクライナ国立農業科学アカデミー・アグロエコロジー環境マネジメント研究所第68号、2013年)


【インタビュアー:松田ヒロ子 プロフィール】

神戸学院大学現代社会学部教授。 経歴の詳細→https://researchmap.jp/hirokomatsuda

第39回 清水亮さんインタビュー『「予科練」戦友会の社会学〜戦争の記憶のかたち』

戦争の記憶のかたち

新曜社 2022年



今回は、2022年に新曜社より『「予科練」戦友会の社会学〜戦争の記憶のかたち』を出版された清水亮さんをゲストにお迎えしました。インタビュアーは『〈趣味〉としての戦争』を出版された佐藤彰宣さんです。

【著作概要】
特攻など悲壮なイメージただよう少年航空兵「予科練」。戦後、学歴やレッテルに悩みつつ中年となった彼らは、ユニークな慰霊碑・記念館をつくりだす。その陰には、孤立していたはずの戦友会をとりまく婦人会・政財界・自衛隊のネットワークがあった。
*戦争体験者集団を、エリート、メディア、地域、集合的記憶、アソシエーションの切り口から捉え直す戦争社会学のチャレンジ。

序章 元兵士たちが遺した記憶のかたち
第1章 戦争・集団・記憶――社会形態学へ向けて
第2章 準エリートたちの軌跡――学歴と予科練
第3章 メディアを介した戦友会の統合
第4章 地域婦人会の記憶と行動――軍隊と地域の歴史的文脈から
第5章 戦後社会の戦友会支援ネットワーク――元軍人・自衛隊から政財界まで
終章 戦争をめぐるつながりとかたち

会報『飛雄』
慰霊祭アルバム1967年(本書233ページより)


【著者:清水亮 プロフィール】

著者プロフィール(400文字以内) 1991年東京都新宿区生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(早稲田大学)。戦争博物館や語り部、自衛隊・旧軍と地域社会に関する研究にも取り組む。共著に、『社会の解読力〈歴史編〉』、『社会のなかの軍隊/軍隊という社会』、『なぜ戦争体験を継承するのか』、『社会学で読み解く文化遺産』。その他詳細は、https://researchmap.jp/smzr/


【インタビュアー:佐藤彰宣 プロフィール】

1989年、兵庫県神戸市生まれ。立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、流通科学大学人間社会学部講師。専門は文化社会学、メディア史。著書に『〈趣味〉としての戦争』(創元社、2021年)、『スポーツ雑誌のメディア史』(勉誠出版、2018年)、共著に『「知覧」の誕生』(柏書房、2015年)、『趣味とジェンダー』(青弓社、2019年)、『近頃なぜか岡本喜八』(みずき書林、2020年)、『楽しみの技法』(ナカニシヤ出版、2021年)など。

第38回 小田ならさんインタビュー『〈伝統医学〉が創られるとき〜ベトナム医療政策史』

ベトナム医療政策史

京都大学学術出版会 2022年



今回は2022年に京都大学学術出版会より『〈伝統医学〉が創られるとき〜ベトナム医療政策史』を出版された小田ならさんをゲストにお迎えしました。インタビュアーは藤本大士さんです。

【著作概要】
建国の理念を体現し,「われわれの医学」(ホー・チ・ミン)として息づくベトナムの伝統医療。しかし,その「北ベトナム」中心のナショナリズムの物語を離れて歴史を辿ると,さまざまな権力作用,概念のもつポリティクス,実際の治療行為が結実した複雑な「伝統医学」像が顕れる。独立・分断・統一のなかで,近代国家はいかに医療の知識を制度に組み込んだのか。それは担い手たちにとって,いかなる経験だったのか。公定の「伝統医学」をめぐるダイナミズムを描く。


【著者:小田なら プロフィール】

同志社大学文学部文化学科文化史学専攻卒業、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学、博士(地域研究)。現在、東京外国語大学世界言語社会教育センター講師。専門は東南アジア地域研究、ベトナム現代史。主要著作に、“Traditional Medicine in the Mekong Region,” From Mekong Commons to Mekong Community: An Interdisciplinary Approach to Transboundary Challenges (Routledge, 2021)、「ベトナムは『性的少数者に寛容』なのか?:同性婚と性別変更にみる政策変容と社会規範」『東南アジアと「LGBT」の政治:性的少数者をめぐって何が争われているのか』(明石書店、2021年)。


【インタビュアー:藤本大士 プロフィール】

2010年、早稲田大学人間科学部卒業(科学史・科学論)。2019年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(科学史・科学哲学)、博士(学術)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(受入機関:京都大学大学院教育学研究科)。専門は近代日本医学史。主要著作に『医学とキリスト教:日本におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教』(法政大学出版局、2021年)。

第37回 山本かほりさんインタビュー『在日朝鮮人を生きる〜<祖国><民族>そして日本社会の眼差しの中で』

<祖国><民族>そして日本社会の眼差しの中で

三一書房 2022年



今回は2022年に三一書房より『在日朝鮮人を生きる〜<祖国><民族>そして日本社会の眼差しの中で』を出版された山本かほりさんをゲストにお迎えしました。

【著作概要】
本書は二部で構成される。第Ⅰ部では筆者がこの10年関わってきた朝鮮学校「支援」活動に参加しつつ、考察してきたことをまとめた。まず、朝鮮学校での営みを記述し、その学びが生徒たちにとってどのような意味を持つのかについて考察した。さらには、「朝鮮学校にとっての<祖国>とは何か」という問いに迫るべく、愛知朝鮮高校の生徒たちの朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)への修学旅行の同行調査を行い、記録した。2週間にわたるフィールドワークを6度行い、かれらが朝鮮で何を見て、感じ、考え、そして、朝鮮をどのように捉えるのかについて考えた。そのうえで、朝鮮学校に「好意的」なリベラル言説が、朝鮮学校と朝鮮の関係を無化し、結果として他者理解の姿勢を手放してしまっていることについて批判的に考察した。

第Ⅱ部は、30年間にわたる在日朝鮮人の家族親族の生活史調査からの知見をまとめたものである。対象親族は3世世代に医師をはじめとする多くの高学歴者・専門職従事者を輩出した親族である。強固な家族ネットワークのもとで、日本社会を生き抜くために上昇移動を志向したかれらは、近年は一見すると日本社会に「同化」しているようにみえるが、それでもなお「民族」を完全に手放そうとはしないのはなぜなのかについて、その結婚観やチェサ(法事)観、朝鮮総聯との関係や朝鮮学校での経験などに関する語りを通じて考察した。

また、筆者が17回訪朝するなかで経験した朝鮮を紹介した8本のエッセイも掲載している。


【著者:山本かほり プロフィール】

1965年生まれ。愛知県立大学社会福祉学科教員(社会学)。著書に、谷富夫・稲月正・高畑幸編著 『社会再構築の挑戦〜地域・多様性・未来』(共著、ミネルヴァ書房 2020年)、有田伸・山本かほり・西原和久編著 『国際移動と移民政策〜日韓の事例と多文化主義再考』(共編著、国際社会学ブックレット2 東信堂 2016年)、平田雅己・菊地夏野編著 『ナゴヤ・ピース・ストーリーズ:ほんとうの平和を地域から』(共著、風媒社 2015年)等。


【インタビュアー:李洪章 プロフィール】

1982年生まれ。神戸学院大学現代社会学部教員。専門はエスニシティ、ナショナリティ、在日朝鮮人。著書に、『在日朝鮮人という民族経験〜個人に立脚した共同性の再考へ』(単著、生活書院 2016年)、『帝国のはざまを生きる〜交錯する国家、人の移動、アイデンティティ』(共編著、みずき書林 2022年)、『日常的実践の社会人間学〜都市・抵抗・共同性』(共著、山代印刷株式会社出版部 2021年)等。

第36回 濱田麻矢さんインタビュー『少女中国〜書かれた女学生と書く女学生の百年』

書かれた女学生と書く女学生の百年

岩波書店 2021年



BLA36回目のゲストは2021年に岩波書店より出版された『少女中国〜書かれた女学生と書く女学生の百年』の著者、濱田麻矢さんです。インタビュアーは田村容子さんです。

【著作概要】
国家増強のため、青年を重視しはじめた近代中国。「中国少年」や「新青年」は新しい中国を描くために欠かせない合言葉となり、1920年代以降、青年の成長を描く中国式のビルドゥングスロマンが盛んに書かれてゆくことになった。しかしこれらの「少年」や「青年」とは潜在的に男性を指していた。少女たちはある時には有為の人材となるべく叱咤激励され、またある時には家に戻って家族を後方支援するよう要請されたのである。
近代以降に開始された女子教育によって、少女たちは生家を離れ、自分で次の生き方を決めようと模索する時間を持てることになった。本書はさまざまな文学テクストに沿いながら、生家を離れた娘たちがどのように自分の着地点を見つけようとしたのか、また彼女たちの奮闘を男性作家がどのように眺めたのかについて、五四運動期直前から天安門事件後までの百年をたどりながら検証付けてゆく。


【著者:濱田麻矢 プロフィール】

1969年、兵庫県生まれ。神戸大学大学院人文学研究科教授。京都大学大学院博士後期課程中途退学。著書に『漂泊の叙事〜一九四〇年代東アジアにおける分裂と接触』(共編、勉誠出版)、『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい〜乳房の図像と記憶』(共著、岩波書店)、訳書に『中国が愛を知ったころ〜張愛玲短篇選』(岩波書店)、『覚醒するシスターフッド』(共訳、河出書房新社)等。研究テーマは中国現代文学、特に民国期小説の性別表象に興味を持つ。目下の関心は文学テクストに描かれた「だめんず(不実な男性)」像と産み手としての女性の売買。


【インタビュアー:田村容子 プロフィール】

1975年、愛知県生まれ。北海道大学大学院文学研究院准教授。神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。著書に『男旦(おんながた)とモダンガール 二〇世紀中国における京劇の現代化』(単著、中国文庫)、『中国文学をつまみ食い』(共編著、ミネルヴァ書房)、『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい〜乳房の図像と記憶』(共著、岩波書店)等。研究テーマは中国演劇・文学。特に演劇における性別表象、プロパガンダ芸術にみられる身体表象に関心を持つ。

第35回 松方冬子さんインタビュー『洋学史研究事典』

思文閣出版 2021年



BLA35回目のゲストは2021年に思文閣出版より出版された『洋学史研究事典』の編者のお一人、松方冬子さんです。インタビュアーは『医学とキリスト教』の著者で、第28回のBLAゲストでもある藤本大士さんです。

【著作概要】
洋学史研究は、内外の史料に恵まれ、大きな蓄積を持つが、とくに地域洋学史研究の進展が内外に十分発信されていなかった。そこで、現状の打破と現段階までの研究成果を反映させた新たな研究指針となるような事典として『洋学史研究事典』が編集された。本事典では、洋学史研究を研究篇(グローバル)と地域篇(ローカル)に分けて執筆し、地域篇では47都道府県の洋学史研究の現状と成果を一堂にみることが初めてできるようになった。研究篇では、人・モノ・情報の交流を意識して、洋学研究に重要な人物・項目を網羅したほか、従来扱われなかった項目もあげた。通覧することで、様々な国際交流があったことがみえてくるだろう。


【著者:松方冬子 プロフィール】

1993年、東京大学大学大学院(国史学専攻)単位取得退学。東京大学史料編纂所助手、同助教授、同准教授を経て、同教授。博士(文学)(2008年、東京大学)。主要著作に、松方冬子『オランダ風説書と近世日本』(東京大学出版会、2007年)、松方冬子『オランダ風説書:「鎖国」日本に語られた「世界」』(中公新書、2010年)、松方冬子ほか編、日蘭交渉史研究会訳『一九世紀のオランダ商館』(上・下)(東京大学出版会、2021年)、松方冬子編『オランダ語史料入門:日本史を複眼的にみるために』(東京大学出版会、2022年)など。


【インタビュアー:藤本大士 プロフィール】

2010年、早稲田大学人間科学部卒業(科学史・科学論)。2019年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(科学史・科学哲学)、博士(学術)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(受入機関:京都大学大学院教育学研究科)。専門は近代日本医学史。主要著作に『医学とキリスト教:日本におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教』(法政大学出版局、2021年)。

第34回 熊本理抄さんインタビュー『被差別部落女性の主体性形成に関する研究』

解放出版社 2020年



今回は2020年に解放出版社より『被差別部落女性の主体性形成に関する研究』を出版されました熊本理抄さんをゲストにお迎えしました。インタビュアーは鶴見太郎さんです。

【本書概要】
本書は三部から構成される。第一は、部落女性90人の聞き取り分析だ。部落民であること、女性であることを部落女性がいかに認識し位置づけているか、その認識になにがどのように影響しているか、その位置づけをどう変容しようとしているかを明らかにする。第二は、部落解放運動の資料分析である。部落解放運動が部落女性の主体性形成をいかに支援あるいは阻害したのか、そのなかでみずからの主体性形成を追究しつづける部落女性の思考と実践はいかなるものだったのかを考察する。第三は、ブラック・フェミニズム思想と国際人権言説が提起するインターセクショナリティ概念と部落女性が解放運動で定着させた複合差別概念の共通性と相違性を見出し、それら概念の理論的、実践的有効性を検証する。


【著者:熊本理抄 プロフィール】

著者プロフィール(400文字以内) 1972年福岡県生まれ。近畿大学人権問題研究所教員。博士(人間科学)。 幼少期を被差別部落で過ごし、部落解放運動に参加する。留学先で先住民族や性的マイノリティの人権運動に出会ったことをきっかけに、大学卒業後、反差別国際運動(IMADR)で働く。反差別国際運動は、世界中で差別と闘っている人たちとつながりたいという思いから、1988年に部落解放運動など国内外のマイノリティ当事者団体がつくった国際人権NGO。 2002年4月から現職。現在は、被差別部落女性の解放運動およびインドやネパールのダリット女性による解放運動、世系に基づく差別とジェンダーの複合差別、レイシズム・スタディーズとダリット・スタディーズの連携、教育と福祉のまちづくりを研究テーマとしている。


【インタビュアー:鶴見太郎 プロフィール】

1982年岐阜県神岡町(現飛騨市)生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻准教授・博士(学術) 専門は、歴史社会学、ロシア・ユダヤ人、イスラエル/パレスチナ、エスニシティ・ナショナリズム。主な著書:『ロシア・シオニズムの想像力:ユダヤ人・帝国・パレスチナ』(東京大学出版会、2012年)、『イスラエルの起源:ロシア・ユダヤ人がつくった国』(講談社、2020年)、From Europe’s East to the Middle East: Israel’s Russian and Polish Lineages(共編著、ペンシルベニア大学出版局、2021年)

『「戦争孤児」を生きる〜ライフストーリー/沈黙/語りの歴史社会学』著者 土屋敦さんインタビュー

ライフストーリー/沈黙/語りの歴史社会学

青弓社 2021年



【著作概要】
第2次世界大戦で親を失った戦災孤児・戦争孤児は、戦後70年にあたる2015年まで多くを語らず、「沈黙の70年」を生きてきた。彼・彼女たちはなぜ沈黙してきたのか。これまでの人生で何を経験してきたのか。当事者たちにロングインタビューをおこない、これまで歩んだ生活実態を明らかにする。


【著者:土屋敦 プロフィール】

関西大学社会学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程修了。歴史社会学、福祉社会学、子ども社会学、家族社会学。著書に『はじき出された子どもたち〜社会的養護児童と「家庭」概念の歴史社会学』、共編著に『孤児と救済のエポック〜十六~二〇世紀にみる子ども・家族規範の多層性』(ともに勁草書房)、共著に『多様な子どもの近代〜稼ぐ・貰われる・消費する年少者たち』(青弓社)、論文に「『保護されるべき子ども』と親権制限問題の一系譜〜児童養護運動としての『子どもの人権を守るために集会』(1968-77年)」(『子ども社会研究』第23号)など。


【インタビュアー:三品拓人 プロフィール】

日本学術振興会特別研究員(PD)。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。家族社会学、子ども社会学。論文に「児童養護施設で暮らす小学生男子たちにとっての〈友人〉〜子ども同士の関係の質的な違いに着目して」(『ソシオロジ』64巻3号)、「児童養護施設における子ども間の身体的な暴力の社会学的検討〜施設内における「男子性」の凝縮に着目して」(『フォーラム現代社会学』18号)、「児童養護施設に住まう子ども間の「差」と職員の葛藤〜子どもの多層性に着眼して」(『社会的養護研究』1号)など。

『同定の政治、転覆する声〜アルゼンチンの「失踪者」と日系人』著者 石田智恵さんインタビュー

アルゼンチンの「失踪者」と日系人

春風社 2020年



【著作概要】
1970年代、アルゼンチン軍事政権による反政府活動家の弾圧が生み出した大量の「失踪者」、その中には日本人移民の子どもたちがいた—死体なき「強制失踪」という国家テロリズムと、日常的な人種主義、両者を転覆しようとする、日系失踪者とその親族たちの闘いを文化人類学的視点から描く。


【著者:石田智恵 プロフィール】

早稲田大学法学学術院准教授。立命館大学大学院先端総合学術研究科修了。アルゼンチンにおけるナショナリティ/人種に関する人類学的研究。近年は20世紀後半独裁体制下の国家暴力に関する「記憶」、「正義」を問う市民運動に関心を持ち、ブエノスアイレスで調査をしている。共編著に『異貌の同時代〜人類・学・の外へ』(以文社、2017年、収録論文「個人の登録・消去・回復〜アルゼンチンと同一性の問題」)など。


【インタビュアー:北田依利 プロフィール】

米国ラトガーズ大学・歴史学研究科・博士課程在籍。歴史学、とくに米国内およびアジア太平洋地域のジェンダー/セクシュアリティ・人種と、脱植民地主義的な歴史叙述の方法論を勉強している。主要業績に『多様性を読み解くために』(エスニック・マイノリティ研究会編、2020年)、“Japanese Mixed-Race Children in the Philippines, Then and Now!” (Immigration and Ethnic History Society Online, 2021)、などがある。シノドスやWashington Postにも寄稿している。

『「患者」の生成と変容〜日本における脊髄損傷医療の歴史的研究』著者 坂井めぐみさんインタビュー

日本における脊髄損傷医療の歴史的研究

晃洋書房 2019年



今回は2019年、晃洋書房より出版された『「患者」の生成と変容〜日本における脊髄損傷医療の歴史的研究』の著者坂井めぐみさんがゲストです。研究の背景やご自身の経験、さらにはご自身の出身である立命館大学先端総合学術研究科の環境に至るまで、この本の魅力を語っていただいています。インタビュアーは、以前、ご自身の著書も語っていただいたことのある藤本大士さんです。

【著作概要】
幕末期には、治ることのない身体として見放されていた脊髄損傷者は、戦後の軍事医療の一環で「患者」として扱われるようになり、その後リハビリを通した社会復帰が望まれるようになった。そして今、再生医療の進展により、脊髄損傷者に新たな視線が注がれている。社会情勢、医療制度、患者の生活などから「患者像」の変容を示した医療の歴史をたどる。


【著者:坂井めぐみ プロフィール】

2009年、立命館大学産業社会学部卒業。一般企業勤務を経て、2018年、立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了、博士(学術)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。専門は医学史。主要著作に、『「患者」の生成と変容:日本における脊髄損傷医療の歴史的研究』(晃洋書房、2019年)。共著に、​​『現代のバベルの塔:反オリンピック・反万博』(新教出版社、2020年)。


【インタビュアー:藤本大士 プロフィール】

2010年、早稲田大学人間科学部卒業(科学史・科学論)。2019年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(科学史・科学哲学)、博士(学術)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(受入機関:京都大学大学院教育学研究科)。専門は近代日本医学史。主要著作に『医学とキリスト教:日本におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教』(法政大学出版局、2021年)。